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IVとCVの明確な違いは、シース(外被)と絶縁体の材料にあります。
IVは導体(金属)を絶縁物で保護しただけの構造ですが、CVは絶縁物のさらに外側にシースを備え、摩擦や衝撃に強いのが特徴。絶縁材料もそれぞれ異なり、同じ導体断面積ならCVはIVより大電流を流せます。
本記事では、IV電線とCVケーブルの違いを構造から順に解説し、用途や施工方法の使い分けを経験者の視点で分かりやすく整理します。
記事を読み進めていただければ、両者の特徴を理解でき、正しい施工と選定ができるようになります。
まずはIV電線とCVケーブルがどんなものなのか、正式名称と規格、そして「電線」と「ケーブル」という呼び方の違いから整理します。
ここを押さえると、構造や用途の違いも理解しやすくなります。
IVは「600Vビニル絶縁電線」が正式名称で、JIS C 3307に規定されています。
導体をビニル絶縁体で覆っただけの単芯電線で、屋内配線や盤内配線で広く使われています。
黒・白・赤・緑など色のバリエーションが豊富で、回路や相に合わせて1本ずつ選んで使えるのも特徴です。
CVは「600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル」が正式名称で、JIS C 3605に規定されています。
絶縁体に架橋ポリエチレンを用い、その外側をビニルシースで被覆した、耐久性の高いケーブルです。
単芯のほか複数の芯線をまとめた多芯タイプもあり、幹線や動力配線など多くの電流を流す場面で利用されます。
導体を絶縁体で覆ったものを「電線」、絶縁体の外側にシース(外被)を備えたものを「ケーブル」と呼びます。
IVはシースがないため「IV電線」、CVはシース付きのため「CVケーブル」と呼ばれ、この違いが用途や施工方法の違いとなっています。
IVとCVの大きな違いはシースの有無です。断面で見ると層の数が異なり、それが保護性能と施工方法の差につながります。
IVは、銅導体をビニル絶縁体で覆っただけの1層構造です。シース(外装)がないため機械的な保護力が弱く、むき出しで配線(露出配線)するには向きません。
そのため、原則として電線管の中に通して使用します。
CVは、銅導体を架橋ポリエチレンで絶縁し、さらにビニルシースで被覆した2層構造です。外側のシースが機械的損傷・水分・薬品からケーブルを守るため、単独でも丈夫に配線できます。
露出配線、幹線、埋設配管、機器の接続など、用途は多岐にわたります。
IVはシースがなく外部からの衝撃や摩耗に弱いため、原則として露出のまま単独で配線することはできません。(電線管や金属ダクトの中に収めて保護するのが基本です)
ただし、がいし引き工事のように、所定の条件下で露出配線が認められる工事方法もあります。
とはいえ現在の建物ではほとんど採用されないため、「IVは管の中で使う」と覚えておけば実務上は十分です。
絶縁材料の違いは、耐熱性と流せる電流の差として表れます。ここを誤ると過熱や事故につながるため、しっかり理解しておきましょう。
IVの最高許容温度は60℃です。
ビニル絶縁のため、高温環境や大電流を長期間流す用途には向いておらず、住宅や盤内など比較的穏やかな環境での使用が前提となります。
主なIV電線の許容電流は次のとおりです。
【IV線の許容電流(単線)】
【IV線の許容電流(より線)】
※周囲温度30℃、同一管内3本以下
許容電流値はメーカーによって若干違いがあるので、詳しくはメーカーのカタログを参照ください。
CVの最高許容温度は90℃。これは架橋ポリエチレンの優れた耐熱性によるものです。
同じ断面積で比べると、CVのほうがIVより許容電流が大きいです。大電流を扱う幹線や周囲温度の高い環境では、この耐熱性の差が効いてきます。
主なCVケーブルの許容電流は次のとおりです。
※周囲温度40℃、気中、暗渠布設、絶縁体許容温度90℃
IVを電線管の中に何本も通す場合は、許容電流を少なく見積もらなければいけません。
通線本数が多いほど熱がこもって放熱しにくくなるため、内線規程や電気設備の技術基準に基づき、許容電流を低減(補正)して設計する必要があります。
一般的に用いられる補正係数は以下のとおりです。
【布設方法による補正】
【温度による補正】
本数や周囲温度、施工方法を考慮せずに電線を選定すると過熱の原因になります。電線管に多くのIVを詰め込む設計では、太いサイズを選ぶなど、余裕を持った設計をするようにしてください。
構造と性能の違いは、そのまま施工方法と用途の違いに直結します。ここでは具体的な使い分けと、選定の判断基準を整理します。
IVは、PF管・FEP管・EM-PF管などの電線管や金属ダクトの中、また分電盤・制御盤の内部配線に使われます。
必要な色を1本ずつ選んで通線できるため、盤内の細かな配線にも適しています。配線の変更や増設がしやすく、回路ごとに色を分けて整理できるのもIVのメリットです。
CVは、ケーブルラックやケーブルトレイへの直接敷設、地中埋設管路内にも使用できます。
屋外への露出配線や幹線配線にも対応でき、電線管に頼らずに配線できるのが大きな強みです。
長い距離をまとめて敷設する幹線や、建物間をつなぐ配線など、IVではできない用途で活躍します。
IVは安価ですが、保護のための電線管や通線の手間がかかります。
CVは単価こそ高めですが、電線管に収めずに敷設できる場合が多く、施工を簡略化できることがあります。
設置環境と施工方法を踏まえ、次の表を選定の判断材料にしてください。
IVとCVは、シースの有無や絶縁材料の違いから、絶縁体の最高許容温度(60℃と90℃)・許容電流・施工方法・用途までが異なります。
シースを持たないIVは電線管や盤内での配線が基本で、シース付きで丈夫なCVは直接敷設や屋外・埋設管路内、幹線配線に適しています。
どちらを選ぶかは、設置環境と施工方法に応じて判断することが大切です。
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