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IV線とは?ほかの電線・ケーブルとの違いや現場運用の実態を解説!

2026.07.07
IV線とは?ほかの電線・ケーブルとの違いや現場運用の実態を解説!

IV線は「600Vビニル絶縁電線」と呼ばれ、電気工事では一般的な電線です。

安価で加工しやすく、配線器具・照明器具・ブレーカーなど、多くの電気機器はこの電線に合わせて設計されています。

この記事では、そんなIV線の特徴やほかの電線・ケーブルとの違い、使用例などを解説します。

許容電流の一覧も紹介しますので、IV線の選定にも活用してください。

IV線とは

IV線とは

IV線は正式(JIS C 3307)には「600Vビニル絶縁電線」と呼ばれています。

実務では「IV」と呼ばれていますが、略語の明確な定義はありません。
「Insulated Vinyl」「Indoor Vinyl」「Indoor PVC」などさまざまな呼ばれ方をしています。

電気工事では一般的な電線で、配線機器の接続・盤内のブレーカーや端子台への配線・アース線など、用途は多岐にわたります。

主な特徴はシース(外装)がないことで、IVは”ケーブル”ではなく”線”または”電線”と呼ばれています。

実務的なイメージは「部品」で、電線管や盤内で保護することが前提となっています。

IV線の構造

IV線の構造

IV線は導体とビニル絶縁体の構成になっています。

IV線の構造

導体は単線とより線の2タイプあり、単線は1.2〜2.0mm、より線は1.25〜325mm²まであります。

単線とより線に分かれているのは次のような理由からです。

  • 単線は固定配線向け。形がしっかりしていて施工しやすい
  • より線は狭所向け。柔らかく曲げや振動に強い
  • より線の太線は施工性重視。単線で100mmなどの線は容易に作れない・曲げられない

より線(断面積)の単位はmm²(平方ミリメートル)やSQ(スクエア)が使われ、2mm²なら「にスケ」と呼ばれることが多いです。

IV線の使用例

IV線の使用例

IV線は具体的に次のような場面で広く利用されています。

  • 配管内の配線(PF管、CD管、ダクトの中の配線)
  • ブレーカー間の接続、端子台まわり、アース線の接続
  • コンセント、スイッチ間のワタリ配線、仮設配線(常設しない)

外径が細く取り回しやすいことから、アース線や機器間の接続(ワタリ配線)、配電盤内の狭い配線によく使われます

現場の実態

IV線は「短距離の配線が多い」「配線器具のワタリ線はVVFの切れ端から取り出す」などの理由から、宅内の配線工事ではVVFほど利用はされません。

被覆が緑(緑/黄)のIV線(アース用)は使用機会が多いですが、被覆が黒・赤・白などのIV線は余ることが多いです。

逆に工場・プラントや商業施設、制御盤などの工事では、人の手が触れない場所が多いためIV線の使用機会は増えます。

IV線を使ってはいけない場面

IV線を使ってはいけない場面

IV線はシースがないため、使ってはいけない場面が明確です。

ここではIV線を使ってはいけない場面について解説します。

露出配線

IV線はシース(外皮)がないため露出配線は基本NGです。

軽い衝撃や摩擦でも被覆が破れてしまうことがあるため、PF管やCD管で必ず保護しなければいけません。

電線管や盤内がOKなのに、壁や天井の露出配線(コロガシ配線)がNGなのは、管や盤がシースの役割を果たすため。

IV線保護の本質は「人の手」ではなく「環境から守られているか」で考えることです。

ただし、がいし引きのように「人が容易に触れない場所」で「壁や天井に直接触れない」場所であればOKとなるケースもあります。

屋外配線

IV線は次のような理由から屋外配線に向いていません。

  • 紫外線に弱い
  • 防水性能がない
  • 温度変化に弱い
  • 衝撃に弱い

IV線の絶縁体(PVC)は耐候性が低いため、長期間屋外に放置していると、劣化が早まります。

たまに、仮設工事の配線で数センチ〜数十センチ露出している場面も見かけますが、以下のような事情から許容されるケースもあります。

  • 工期が短い(露出時間が短い)
  • 頻繁に組み替える前提(人がよく見る)
  • 施工スピード重視

屋外配線の判断ポイントは「露出しているか」ではなく「危険性が管理されているか」です。

可動部の配線

IV線はより線タイプもありますが、可動用のケーブルとは設計思想が違います。

項目 IV線 可動用ケーブル
素線構成 太めの素線が少数
(7本・19本など)
極細素線が多数
(数十〜100本以上)
素線径 比較的太い 非常に細い
曲げやすさ 〇(施工時は扱いやすい) ◎(非常に柔らかい)
繰返し曲げ耐久 ×(疲労で断線しやすい) ◎(長寿命設計)
最小曲げ半径 大きめ(固定前提) 小さく取れる(可動前提)
構造設計 単体構造(応力集中) 多層構造(応力分散)

IVのより線は「日常的な曲げ」ではなく「施工時の曲げやすさ」が目的です。

IV線の選び方

IV線の選び方

IV線を選定するときは、次の順番で決めるのが基本です。

1.電流(負荷)を確認する

まずは何と接続するのかを確認し、流れる電流を決めます。

  • 接続機器の仕様(定格電流)を確認する
  • 消費電力から計算する(100V/1000Wなら10Aなど)

旅行と同じで、目的、予算、期限が決まっていないと、何も決めることはできません。

2.許容電流を確認してサイズを仮決めする

電線メーカーや許容電流表(後述)を見て、大体の許容電流を仮決めします。

  • 約18A必要→1.6mm(単線)
  • 約27A必要→2.0mm(単線)

ポイントは実際に流れる電流よりも余裕を持ったサイズを選ぶこと。

許容電流は一般的に理想条件(30℃・1条・気中・日射無し)で算出されているため、計算を進めるうちに徐々に厳しくなっていきます。

また、IV線には単線とより線があり、「2mm=2mm² ではない」点に注意です。

  • 単線(mm):導体直径
  • より線(mm²):導体断面積(半径×半径×3.14)

つまり面積は (導体直径)²×0.785 となり、

2mmなら3.14mm²(3.14mm²はないので、3.5mm²に換算する)
1mmなら0.785mm²(0.785mm²はないので、0.75mm²に換算する)

上記のように考えます。

3.補正係数をかける

許容電流が決まったら、その値に補正係数をかけます。

  • 周囲温度(高温だと許容電流低下)
  • 布設状況(空中・管内・ダクト内)
  • 電線管内に何本の線を入れるか(多条布設)

例えば、40℃の環境なら0.82倍、電線管に3本まとめて配線するなら0.7倍にするなど。

放熱効率が悪い環境ほど、許容電流は低くなります。

4.電圧降下を確認する

電線は距離が長くなると電圧降下が発生します。

電圧降下の目安は、照明で2%以内、動力で3〜5%以内に収めること。

例えば、100Vが必要な機器で90Vになっていると、パワーが弱く感じたり、動かなかったりするおそれがあります。

  • 10m未満:ほぼ影響なし
  • 10〜30m:条件次第でチェック
  • 30〜50m:基本的に検討する
  • 50m以上:ほぼ確実に影響あり

※ブレーカー(電源)〜負荷(機器)まで往復の距離

上記が一般的な実用目安です。

5.機械的な条件を考慮する

実際にIV線がどんな環境で配線されるかを考えます。

  • 固定する・基本的に触らない→単線
  • 狭い場所の配線→より線
  • 振動がある環境→より線

電気的にはOKでも、機械的な条件が合っていないと、劣化を早めたり断線につながったりします。

6.安全率を持たせる

実際の現場では、更に安全側に寄せた設計をします。

  • 机上では考えられない要素があり得るため
  • 将来設備を増設する可能性があるため

電気工事の現場では、将来に備えて予備の回路を用意したり、増設用の配線スペースを用意したりするのはよくあることです。

そのため、回路が増えても対応できるように電線を1サイズ上げるなど、電気的にも余裕を持たせた設計をすることがあります。

IV線の定格電圧

IV線の定格電圧

IV線の定格電圧は600Vで、一般的に低圧用と呼ばれています。

これは絶縁体が耐えられる電圧の上限のことで、電流とは無関係です。
(電流は導体の太さで決まります)

日本の電気設備は、次のように定義されています。

  • 600V以下:低圧
  • 600V超:高圧

IV線は低圧用の標準電線として設計されているため、定格電圧が600Vとなっています。

IV線の許容電流

IV線の許容電流

IV線の許容電流は次のとおりです。

【IV線の許容電流(単線)】

直径(mm) 許容電流(A)
IV
1.6 13
2 19

【IV線の許容電流(より線)】

公称断面積
(mm²)
許容電流(A)
IV
1.25 13
2 18
3.5 25
5.5 34
8 42
14 61
22 80
38 113
60 152
100 208
150 276
200 328
250 389
325 455

※周囲温度30℃・導体最高温度60℃・気中・日射なし・同一管内3本以下

上記の値は参考値で、電線メーカーにより若干の違いがあります。

許容電流の補正係数

許容電流値は、電線を布設する環境によって大きく異なります。

それぞれの環境に応じて、以下の係数(参考値)を乗算してください。

【布設方法による補正】

布設方法 空中 壁面 電線管 ダクト
係数 1 0.95 0.8 0.6

【温度による補正】

周囲温度(℃) 25 30 35 40 45 50 55
係数 1.08 1 0.94 0.87 0.79 0.71 0.61

【条数による補正】

条数 1〜3条 4〜6条 7〜9条 11〜20条 21〜30条 31条以上
係数 1 0.8 0.7 0.6 0.5 0.45

【計算例】

例えば、IV2mm² を40℃の環境、電線管内、管内に同じ線を6本入れた場合。

27(A)× 0.87 × 0.8 × 0.8 ≒ 15.03(A)

放熱環境が悪くなるほど許容電流は少なくなります

IV線とほかの電線・ケーブルとの違い

IV線とほかの電線・ケーブルとの違いIV線は導体と絶縁体からなるベーシックな構造ですが、絶縁体の構造や材質を変えることでさまざまな用途に派生しています。

ここではIV線とそのほかの電線・ケーブルとの違いについて解説します。

【IV線とほかの電線・ケーブルの違い】

電線 特徴 用途
IV 単体・安価 管内・盤内
HIV 単体・やや高価 高温環境
VVF シースあり 住宅配線
VCT ゴム・可動OK 工場・屋外
CV 架橋PE 高耐久・幹線

IV線とHIV線との違い

IV線とHIV線との違いは耐熱性能です。

IV線に使用される絶縁体の許容温度は60℃ですが、HIV線の絶縁体許容温度は75℃あります

これは絶縁体に含まれる成分の違いで、HIVは耐熱性を有したビニルでできているためです。(H = Heat resistant(耐熱) )

IV線とHIV線との違い

耐熱温度が高いため許容電流も高く、より大きな電流を流すことができますが、値段が高いというデメリットがあるため、普段使いではIV線を選ぶことが多いです。

【比較表】

項目 IV線 HIV線
絶縁体 ビニル(PVC) 耐熱ビニル(耐熱PVC)
耐熱温度 約60℃ 約75℃
許容電流 小さい IV線より大きい
価格 安い 高い
主な用途 盤内・管内配線 高温になりやすい場所・盤内

IV線とVVFケーブルとの違い

IV線とVVFケーブルとの違いはシースの有無です。

VVFは「ビニル絶縁ビニルシースケーブル」と呼ばれ、 導体、絶縁体、シースという構造になっています。

IV線とVVFケーブルとの違い

シースがあるため、外部のダメージに強く露出配線が可能です。
また、線が2〜3本まとまっていることから整線の手間が不要で、コンセントや電灯の配線で広く使われています。

VVFケーブルはサイズが1.6mm〜2.6mmの単線のみで、宅内の配線工事に特化したケーブルです。

【比較表】

項目 IV線 VVFケーブル
構造 単芯+絶縁のみ 複数芯+シース(平形)
使用方法 管の中・盤内 そのまま使用OK
施工性 管通しが必要で手間 早い(直配線)
耐久性 低い 高い
価格 安い 高い(ただし工事費は安くなりやすい)
主な用途 盤内・管内配線 住宅のコンセント・照明配線

IV線とVCTケーブルとの違い

IV線とVCTケーブルとの違いはシースの有無や構造の違いです。

VCTは「ビニルキャブタイヤケーブル(Vinyl Cabtyre Cable) 」と呼ばれ、 導体、絶縁体、シースという構造になっています。

IV線とVCTケーブルとの違い

VCTはシースが厚めなので耐久性・耐衝撃性が高く、屋内外の露出配線が可能です。

導体がより線になっていて取り回しがきくため、機械へ直接つなぐ電源ケーブルや延長コード・工事現場の仮設配線などで利用されます

【比較表】

項目 IV線 VCTケーブル
構造 単芯+絶縁のみ 複数芯+シース
使用方法 管の中・盤内 そのまま使用OK
耐久性 低い 高い
柔軟性 普通 やや硬い(※VCTFは柔らかい)
価格 安い 高め
用途 末端配線 機械の電源・仮設配線

IV線とCVケーブルとの違い

IV線とCVケーブルとの違いは構造や絶縁材の違いにあります。

CVは「架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル」と呼ばれ、導体、絶縁体、介在、テープ、シースという強固な構造になっています。

IV線とCVケーブルとの違い

シースの耐熱性が高く(90℃クラス)、耐候性に優れるため、露出配線や埋設配線が可能です。

ケーブルは硬くて取り回しがしづらいため、主に幹線や大電力用として利用されています

【比較表】

項目 IV線 CVケーブル
構造 単芯+絶縁のみ 多芯+絶縁+シース
絶縁材 ビニル(PVC) 架橋ポリエチレン(XLPE)
耐熱性 約60℃ 約90℃
許容電流 小さい 大きい
使用方法 管内・盤内 露出・埋設OK
用途 末端配線 幹線・大容量

IV線のメリット・デメリット

IV線のメリット・デメリットはそれぞれ次のとおりです。

【メリット】

  • コストが安い(導体と絶縁体しかないため)
  • 施工の自由度が高い(1本ずつ配線できるため)
  • 放熱性がよい(シースがないため)
  • 取り回ししやすい(外径が細いため)

【デメリット】

  • 機械的保護がない(露出配線は基本NG)
  • 可動用途に弱い(より線でも普通に折れる)
  • 誤配線のリスク(色を間違えるリスクがある)
  • 施工品質にばらつきが出る(人によって出来が変わる)

IV線は名前のとおり、ケーブルではなく”線”です。

電線管や配電盤など、守るものがあって初めて使える電線です

IV線の色分け

IV線の色分け

IV線の被覆の色にはそれぞれ一定のルールがあり、一般的には次のような認識で使われます。

  • アース(緑:古い設備に多い 緑/黄:新設に多い)
  • 単相100V(黒:電源 白:中性線)
  • 単相200V(黒:電源 赤:電源 白:中性線)
  • 三相200V(赤:R相 白:S相 青:T相)

特にアース線(緑)と中性線(白)は電気の分野では原則として用いられます。

回転機の色(赤:R相、白:S相、青:T相)も、設備の業界では常識となっています。

実務でよくあるミス

実務でよくあるミス

実際に、電線の選定でやりがちなミスは次のとおりです。

  • 電圧降下を片道距離で計算する(電圧降下は往復で計算する)
  • 許容電流だけで決める(電流的にはOKだが電圧降下でNG)
  • 補正係数を無視する(電線管、高温、多条布設を考慮してない)
  • 距離の認識を誤る(実際は迂回・立ち上げ距離もある)
  • 最悪条件を見ていない(分岐回路の一番遠い負荷や最大負荷時を想定していない)

これらを押さえるだけで、大半のミスは防げます。

IV線は強電の分野で広く流通している一般的な電線

IV線は強電の分野で広く流通している一般的な電線

IV線は外装(シース)がないため、管内や盤内など人の手が触れない場所に布設するのが基本です

ですが「シースがない=細い」ため、狭い空間での配線に向いているという側面があります。

特徴を押さえて、適切な設計をしてください。

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この記事の許容電流一覧を参考に、サイズや心数を確認した上でご注文ください。

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