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VCTFケーブルとは「VCTよりも柔らかい(フレキシブルな)ケーブル」のことです。
VCTよりもシースが薄く衝撃に弱いため、基本的には屋内・移動する機器に使われることが多いです。
この記事はVCTFの特徴やVCTとの違い、具体的な仕様例について解説します。
記事を読み進めるとVCTFの選定基準が分かり、迷いや悩みの時間を減らすことができます。
VCTFはVinyl Cabtyre Flexible cordの略で、正式には「ビニルキャブタイヤコード」といいます。
「フレキシブル」という名前のとおり、柔らかくて取り回しやすいこと(可とう性)が特徴で、主に屋内の仮設配線や機械の電源コードに使われます。
イメージとしては次のような感じです。
可とう性とは「曲げやすさ」や「しなやかさ」のことです。
電線は一般的に銅が使われていますが、針金のように長い一本の線(単線)だと、風で揺れたり、何度も折り曲げられたりするとすぐに断線してしまいます。(金属疲労)
また、単線は硬いため曲げるのに力が必要で、狭い場所での配線がやりづらいというデメリットがあります。
そうしたシーンで活躍するのがVCTFのような柔らかいケーブルです。
VCTFは柔らかく取り回しやすいことが特徴ですが、折り曲げることのできる限界はあります。
一般的にケーブルの最小曲げ半径は6D(外径の6倍)以上、可動部なら8〜10Dといわれています。(※D=ケーブルの仕上がり外径)
【一般的なVCTFの許容曲げ半径(6Dの場合)】
【一般的なVCTFの許容曲げ半径(8Dの場合)】
VCTFは柔らかいケーブルですが、中身は金属の導体です。
極端な曲げは確実にダメージが蓄積するため、直角曲げやUターン、結束バンドできつく縛るなどをしないようにしてください。
また、ケーブルの外径はメーカーによって若干異なりますので、正確な値を出したい場合は必ずメーカーの仕様を確認してください。
VCTFは、ビニル絶縁体、ビニルシースという2層の構造に分かれています。
導体はより線になっており、柔軟で取り回しやすいのが特徴です。
導体がより線になっている主な理由は、可とう性を確保して断線しにくくするためです。
例えば、直径1cmのステンレスの棒は非常に硬いですが、直径1cmのワイヤーがロープのように柔らかいことからも分かるように、細い線を束ねるほうが全体的に柔らかくなります。
また、より線だと力(応力)が分散されて断線しにくくなり、もし一部が切れても全体は導通するため、耐久面で非常に優れた性能を発揮します。
絶縁体は導体の周りを覆い、電気を外に漏らさないための層です。
VCTFケーブルは、シースの中に複数の導体(より線)がありますが、これらがお互いに接触すると短絡(ショート)が発生し、火災や故障の原因になります。
絶縁体はそれを防ぐ役割があります。
シースはケーブルの一番外側にある被覆で、外部環境から守る鎧のようなものです。
これは摩擦、引っ張り、衝撃などから内部を守るためで、露出配線では必須です。
また、用途に応じて耐水性、耐油性、耐候性などを持った材質が選ばれます。
VCTFケーブルは柔らかさを優先しており、シースが薄めになっています。
VCTFは主に次のような場面で使われることが多いです。
低負荷、屋内、取り回しが多い機器の電源によく使われます。
VCTFケーブルのシースには可塑剤(柔らかくする物質)が多く含まれており、取り回し性能に優れています。
しかし、可塑剤は時間とともに性質が変化するため、長期間使用していると次のような徴候が見られます。
※具体的な時間は環境によって大きく変わります。
さらに数年放置していると、シースがひび割れたり、裂けたりして、銅線が露出してしまうおそれがあります。
そのため、見える・手の届く範囲で使い、異常が見られたら取り替える、というケーブルです。
VCTFケーブルは一般的な電線と違って、定格電圧が少し低いのが特徴です。
許容電流もVCTより低いので、特徴を押さえて選定してください。
VCTFケーブルの定格電圧は基本的に300Vです(0.5㎜2以下は100V未満)。
一般的なケーブル(600V)よりも定格電圧が低いのは、柔らかさを重視しているため。
耐電圧性能を上げると、どうしても絶縁体は厚く、シースは硬くなります。
しかし「それでは作業性が悪い」「電圧はそれほど要らない」という思想から生まれたのがVCTFケーブルです。
VCTFケーブルの定格電圧が300Vなのは、安全面の配慮です。
実際の使用電圧(100Vや200V)に対してギリギリの定格にしてしまうと、上記のような電圧の変動が起こったときに危険なため、余裕を持たせた設計になっています。
VCTFケーブルの許容電流は次のとおりです。
※周囲温度30℃、空中1条布設、屋内
※上記の値は参考値で、電線メーカーにより若干の違いがあります。
許容電流は「発熱」と「放熱」が釣り合う限界値のことです。
許容電流は、「高温」「風通しの悪い環境」「細い電線」ほど低くなります。
許容電流値は、電線を布設する環境によって大きく異なります。
それぞれの環境に応じて、以下の係数を乗算してください。
【温度による許容電流係数】
【周囲にケーブルがあるときの許容電流係数】
【計算例】
特にモーター(冷蔵庫、コンプレッサー、ポンプなど)は突入電流で瞬間的に3〜7倍ほどの電流が流れることもあります。
選定の際は、電線メーカーのカタログ、接続機器の仕様、布設環境も考慮してください。
許容電流を求める際は、次のような流れで考えるとよいです。
ケーブルの長さが長くなる場合は電圧降下の影響も考慮する必要があります。
電線は距離が長くなるほど抵抗が増え、電圧が低下します。
【導体抵抗の計算式】
R=ρ・l/A
R:抵抗(Ω)ρ:抵抗率(Ω・m)l:長さ(m)A:断面積(m²)
電圧が低下すると最悪の場合、機器が正常に動作しなくなるおそれがあります。
距離を短くしたり、断面積を増やしたり(サイズアップする)と対策を講じてください。
VCTFケーブルは電化製品など、低負荷の機器で利用されるイメージが強いです。
定格電圧も低いことから許容電流の計算をする機会は少なく、「電流が気になるならVCTを使う」となりやすいです。
基本構造(導体・絶縁体・シース)はVCTと同じなので、見た目の違いが分かりづらいです。
これらの情報で違いを見分けられますが、経験が浅いと確信が持てず、シース表面に印字された刻印で見分けることになります。
刻印には次の情報が書かれていることが多いです。
VCTFケーブルは基本的に「屋内」「短距離」「低負荷」で使用する電線です。
取り回しがしやすい点がメリットなので、建物の配線よりも、低負荷な電源コードや仮設配線などに向いています。
上記のように、用途に合わせて使い分けをしてください。
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この記事の許容電流一覧を参考に、サイズや心数を確認した上でご注文ください。
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