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許容電流とは「ここまでなら流してもよい」とされている電流値のことで、電線の種類や心数によって値は異なります。
許容値を超えた電流を流し続けると、電線が発熱し、最悪の場合は火災につながるおそれがあるため、安全性を考慮した設計が必要です。
一方で、必要以上にサイズを大きくすると、コスト増加や設置スペースの圧迫といったデメリットも生じます。そのため、根拠をもとに適切な設計を行うことが重要です。
そこで本記事では、VCTケーブルの許容電流を一覧で分かりやすく解説します。安全な設計を行う際の参考として、ぜひご活用ください。
基準条件(周囲温度30℃・導体最高温度60℃・気中・日射無し)での許容電流は次のとおりです。
※上記の値は参考値で、電線メーカーにより異なる場合があります。
許容電流値は、電線を布設する環境によって大きく異なります。
それぞれの環境に応じて、以下の係数を乗算してください。
【温度による許容電流係数】
【周囲にケーブルがあるときの許容電流係数】
【計算例】
放熱環境が悪くなるほど許容電流は少なくなります。
VCTケーブルとは、Vinyl Cabtyre Cable(ビニルキャブタイヤケーブル)の略で、配線や機械の電源用途などに幅広く使用されている電線です。
イメージとしては家庭用ケーブルの強化版。
高耐圧(600V)で外被が厚い(シースがある)ため、より出力の大きい産業用機械の電源ケーブルとして使用されています。
シースの色は灰色が一般的です。
VCTケーブルは導体、絶縁体、シースの構造となっています。
導体部分は複数の銅線をより合わせた線(より線)、シースの材質には柔らかいポリ塩化ビニル(PVC)が使われており、曲げやすい性質があります。(可とう性に優れる)
保護部分は絶縁体とシースの二重構造となっており、シースが厚めになっているので、衝撃や摩擦に強いです。
VCTケーブルは次のような用途で使われることが多いです。
VCTケーブルは曲げやすいため、動く機械や微調整が必要な配線、取り回しが容易な仮設配線などに向いています。
シースが厚く耐水性もあることから、短期間の屋外配線にも使用できます。
一方、紫外線で劣化しやすいことや可塑剤(塩化ビニルなどの樹脂を柔らかくする物質)が揮発すること から、長期間の屋外配線や建物・管内の固定配線には向いていません。
VCTケーブルは、主に200V機器の電源配線や産業機械への接続用途で使用されることが多いケーブルです。
一般住宅やマンションの宅内配線で使用されるケースは少ない一方、工場設備や屋外イベントなどでは大量に使用されることがあります。
また、VCTケーブルはVVFケーブルと比較して耐久性や柔軟性に優れる反面、重量があり価格も高めです。さらに、シースが厚いため、加工時の皮むき作業に手間がかかる場合があります。
そのため、軽微な仮設配線ではVVFケーブルが選ばれるケースもありますが、機器接続や可動部周辺、短期間の屋外利用などではVCTケーブルが適しています。
特に、工場設備・機械メーカー・ライブ会場・イベント設営などで使用されることが多いケーブルです。
例えばVCT2mm² 2心の場合、メーカーや商社には次の3つの情報を伝えれば通じます。
発注の場合は上記に2巻、3巻など数量を伝えます。(1巻=100m)
太いケーブルや条長が長くなる場合の発注は木製のドラムに巻かれて納品されるため、荷姿も確認しておくとよいでしょう。
一方、現場では断面積2mm²のことを「にスケ」と略して呼ぶことがほとんどです。
断面積のsqはsquareの略で平方や2乗という意味です。それがスクエア→スケア→スケと短い呼び方になっています。
【VCTケーブルの書き方・読み方まとめ】
●には任意の数字を入れる
許容電流とは「ここまでなら流してもよい」とされている電流値のことで、発熱と放熱が釣り合う限界値のことです。
許容値を超える電流を流し続けるとケーブルの導体温度は上がり続け、最悪の場合発火するおそれがあります。
許容電流は、放熱係数・周囲温度・断面積・絶縁体の耐熱温度など、さまざまな要素が複雑に絡み合って決まります。
発熱と放熱のバランスは次の式で表されます。
h:放熱係数
A:表面積
T:電線温度
Ta:周囲温度
つまり
発熱量が放熱量を上回り、絶縁体の耐熱温度を超えることで発火につながる可能性が生まれます。
許容電流を超えた電流を流し続けると、絶縁体(ポリ塩化ビニル)が劣化し、分解・炭化が進みます。
その過程で可燃性ガスが発生したり、絶縁体が発火温度に達したりすることで、発煙・発火します。
また、絶縁体の劣化が進んで導体が露出したり、接触不良が起こったりした場合はアーク放電が発生し、これが着火源となるケースもあります。
湿気やホコリ付着によるトラッキング現象が原因となることもあります。
【許容電流を超えるときの発火メカニズム】
そのため、許容電流を考慮した設計をして発熱を抑えたり、高温・紫外線を避けて絶縁体の劣化を防いだりすることが根本的な対策となります。
VCTケーブルの許容曲げ半径は4D以上です。
※Dは電線の仕上がり外径
【一般的なVCTの許容曲げ半径(4Dの場合)】
ただし同じVCTケーブルでも、メーカーによって数mmの誤差はあるため、メーカーのカタログを確認するか、余裕を持った曲げ寸法にするのがよいでしょう。
曲げ半径が小さすぎると、導体が傷んだり絶縁体が劣化したりして、断線や発熱の原因になります。
柔らかいケーブルにも限度はありますので、直角に折ったり、結束バンドを締めすぎたりしないように注意してください。
VCTケーブルの定格電圧は交流600V以下、直流750V以下です。
電線は基本的に600V以下の低圧用と600Vを超える高圧用とに分けられており、VCTケーブルは600V以下の低圧で利用することができます。
日本で一般的に使われる交流電圧は100Vや200V(工場では400Vなど)ですが、突入電流やサージ電圧、電圧変動で瞬間的に電圧が上がることがあるため、安全寄りの設計(耐電圧600V)になっています。
ブレーカー・非常停止ボタン・ヒューズなど、電気分野では故障時に安全側へ作動する「フェイルセーフ設計」が基本とされています。
一方で、電線は被覆に覆われているため異常が外部から分かりにくく、故障を未然に防ぐ設計が重要です。
そのため、使用環境や条件に応じて許容電流を適切に算出し、安全性を考慮した余裕のある設計を行うことが大切です。
上記の許容電流一覧表を参考に、安全な電線選定・設計にお役立てください。
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この記事の許容電流一覧を参考に、サイズや心数を確認した上でご注文ください。
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