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電線の種類はとても多く、用途ごとに最適な電線が決められています。
電線選びを間違えると、機械が動かなかったり誤動作を起こしたり、最悪の場合発熱したりして火災に発展します。
そこで当記事では、主要な電線の種類やその用途について、現場経験17年の電気エンジニアが解説。
この記事を読むことで、用途に合った電線選定の重要性が分かり、事故防止につながります。
現場で用いられる主要な電線・ケーブルは次のとおりです。
電線・ケーブル・コードの違いや、各型番の詳細は以下で解説します。
電線・ケーブル・コードの違いは、次のとおりです。
電線とは、電流を流すための導体(主に銅やアルミ)を絶縁体や保護材で覆ったものです。
主な役割は、電力を送ったり電気信号を伝えたり、機器同士を接続したりすることです。
広い意味では、「電線」「ケーブル」「コード」を含む総称として使われることもあります。
ケーブルは電線をシース(外被)で保護した配線材のことです。
シースがあることで機械的強度や耐候性が高まり、ケーブルラック固定・地中配線・露出配線など、より厳しい環境にも対応できます。
業界では、ケーブルは電線の一種として扱われることもあります。
コードは主に電気機器の電源接続に使われる、柔らかく曲げやすい電線のことです。
身近な例では、電源コード・延長コード・ドライヤーのコード・充電コードなどがあります。
比較的低い電圧で使うことが想定されており、建築物の固定配線には使用できません。
電力用の電線・ケーブルには次のようなものがあります。
IVは電線、それ以外はケーブルです。
IVは銅単線またはより線にビニル絶縁を覆っただけの電線で、電線管内配線や盤内配線で広く使われます。
シースがないため単独で露出配線には使えませんが、配管に通すことで安価に幹線・分岐回路を構築できます。
IVの耐熱強化版としてHIV(二種ビニル絶縁電線)があり、盤内温度が高い場合などに採用されることが多いです。
VVFは平形タイプで、住宅やオフィスの屋内配線として広く使用されます。
導体の直径は1.6mm・2.0mm・2.6mmの3種類、心数は2心・3心があり、分電盤からコンセント・照明まで広く使われます。
VVRは丸形タイプで、地中管路や引込配線など、機械的負荷のかかる箇所で使われることが多いです。
どちらもシース付きのため、造営材への固定配線(屋内の露出配線)が可能です。
CVは耐熱性・電気特性に優れた架橋ポリエチレンを絶縁体に使用したケーブルで、許容電流が大きく、モーター・ポンプ・コンプレッサー・エレベーターなどの動力幹線として多用されています。
CVTは3本のCV単心をより合わせたトリプレックスタイプで、3心CVに比べて放熱性がよく、太径でも比較的柔軟で取り回ししやすいため、38sq以上の太径配線でよく使用されます。
高圧6kV用のCV・CVTもあり、受変電設備の主回路にも広く採用されているケーブルです。
キャブタイヤケーブルとは、柔軟性と耐久性を高めた移動用のケーブルです。
英語のCab Tire Cableに由来するとされ、「タイヤのように厚い外被で保護されたケーブル」という意味合いがあります。
代表的な電線には次のようなものがあります。
VCTは汎用キャブタイヤケーブルの代表で、可とう性のある銅より線がビニルシースで覆われている構造です。
工作機械の電源線、仮設電源、移動用機器、舞台照明など、屈曲が想定される配線で広く使われています。
VCTFはさらに細径で柔軟性が高く、小型機器向けです。
なおVCTFの正式名称は「ビニル絶縁ビニルキャブタイヤコード」で分類上はコードとなります。
WCTはアーク溶接機の二次側(出力側)専用に設計されたケーブルで、太い断面積(22sq〜100sq以上)と高い可とう性を持ちます。
溶接現場で頻繁に動かして使うため、繰り返しの引き回しや踏みつけにも耐える構造で、現場の過酷な使い方にも対応します。
RNCTは天然ゴムシースを採用し、ビニルシースに比べて可とう性・耐寒性に優れます。
頻繁に動かす移動機器や、屋外・低温環境での使用に向いたケーブルで、巻取り作業の多い現場でも重宝されます。
制御・計装用ケーブルは、機械や設備の制御信号や計測信号を伝えるためのケーブルです。
主な特徴は「ノイズ対策(シールド付き)が多い」「多心ケーブルが多い」「微小電流を流す」などです。
代表的なケーブルには次のようなものがあります。
CVVは多心の制御用ケーブルで、制御盤と現場機器との信号配線に用いられます。
2心から数十心までラインナップが豊富で、設備規模に応じて選定できます。
電圧降下を許容できる短〜中距離の制御回路で標準的に選ばれるケーブルです。
CVVSは銅テープシールド付きの制御ケーブルです。
機器の周辺などノイズが多い環境では、シールド付きを選ぶことで誤動作リスクを大きく低減できます。
FCPEVはポリエチレン絶縁の通信用ケーブルで、電話線・構内通信線として昔から使用されている定番のケーブルです。
対より構造により、近接信号間のクロストークを抑え、PBX・インターホン・各種通信配線で使われています。
耐熱・耐火・エコ対応電線はすべて熱に関係する電線ですが、耐熱・耐火電線は消防関連の配線で用いられることが多く、エコ対応電線は燃えたとき・廃棄時の有害物質を減らすという違いがあります。
HPはHeat Proofの略で、防災設備の耐熱配線に使われる電線です。
消防庁告示に基づき、380℃・15分の加熱試験に合格する性能が求められ、火災感知器の信号線、非常放送線、誘導灯配線などに使用されます。
初期火災では、まだ避難していない人に火災を知らせたり、防災設備を動作させたりする必要があります。
HP電線は、そのための回路を一定時間維持するための電線です。
FPはFire Proofの略で、消防設備の非常電源用に使う耐火ケーブルです。
840℃・30分の加熱試験で機能を維持できる性能が求められ、消防庁告示第10号に基づく認定品が使用されます。
屋内消火栓ポンプ・スプリンクラーポンプ・非常用エレベーターなど、人の命に関わる設備を一定時間維持するための配線に使われます。
EMシリーズはエコマテリアルを用いた電線で、火災時の有毒ガス発生を抑制し、リサイクル性にも優れます。
病院・学校・公共施設・地下街など、人命安全に配慮が必要な建物で採用が拡大しており、新築建物では設計仕様で指定されるケースが増えています。
EM-IE、EM-CE、EM-FP、EM-HPなど、従来型番に対応した品ぞろえがあり、施工方法や許容電流は従来品とほぼ同等です。
今後の主流仕様となる可能性が高いため、技術者としても押さえておきたいラインナップです。
電線はそれぞれ得意分野が異なるため、用途に合わない型番を選ぶと事故や法令違反の原因になります。
【主要な型番と用途】
また電線・ケーブル選定では、次の視点で総合的に判断することが重要です。
当サイトでは、本記事で紹介したIV・VVF・CV・CVT・VCT・WCT・RNCT・CVV・CVVS・FP・HP・EMシリーズなど、現場で必要となる電線・ケーブルを幅広く取り扱っています。
型番・サイズ・心数からの検索にも対応していますので、目的にぴったりの一本をぜひ当店でお選びください。
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