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WCTは主にアーク溶接機の二次側で使われるケーブルです。
具体的には溶接機〜アース線(導線)で使われるケーブルで、ホルダ(手元)用とは規格が異なりますので注意が必要です。
この記事では溶接用ケーブル(WCT)の特徴や、使ってはいけない場面、またホルダ用のケーブルについても解説します。
記事を読み進めると、溶接機のケーブルについて理解が深まり、ケガや事故の防止に役立ちます。
溶接用ケーブル(WCT)とは「溶接用天然ゴムシースケーブル」のことです。
主に溶接機の二次側で利用されるケーブルで、衝撃や摩耗に強い性質があります。
溶接機は大電流を流すため、最小サイズでも14mm²と、比較的太いケーブルです。
溶接用ケーブル(WCT)は、導体、セパレータ、シースという構造になっています。
導体はより線、シースはゴム素材でできているため、汎用ケーブルと同等の曲げができ、衝撃や摩耗に強い性質があります。
これは、溶接現場ではケーブルを取り回したり引きずったりすることが多いため。
WCTは溶接の現場に特化して設計されたケーブルです。
溶接用ケーブル(WCT)は溶接機の二次側の配線で使用します。
ただし、手元(ホルダ)用にはWRCTなどの可とう性、安全性に特化したケーブルを使用します。
WCTは、アーク溶接機用に設計されたケーブルです。
それ以外の用途は原則NGで、ホルダ用にも使うことはできません。
WCTは溶接機二次側以外の用途で使うのはNGです。
シースに使われている天然ゴムは、紫外線にさらされると、硬化、ひび割れ、白化が発生し、最終的には導体が露出してしまいます。
また、固定配線用として認証・規定されたケーブルではないため、壁や天井に固定して使うものでもありません。
WCT系は大きく2つの要素で分類されます。
【名前の意味】
以下に各ケーブルについて詳しく解説します。
WNCTはシースにクロロプレンゴムを使用しており、耐油・耐候・難燃に優れているのが特徴です。
許容温度は75℃で、天然ゴムに比べるとやや硬くて、高価。
WCTよりも流通は少ない(受注品)ため、納期が少しかかることもあります。
WRCTは絶縁体(天然ゴム)とシース(天然ゴム)の二重被覆になっており、WCTよりも安全性が高いのが特徴です。
導体とシースの間に天然ゴムの「絶縁体」が追加された二重被覆構造になっており、万が一シースが傷ついても導体が露出しにくく、安全性が向上しています。
安全性が高いため、人が触れる可能性のある手元(ホルダ用)で利用されるケーブルです。
WRNCTは絶縁体(天然ゴム)とシース(クロロプレンゴム)の二重被覆になっており、WRCTよりも更に安全性に優れたケーブルです。
耐油・耐候・難燃に優れており、やや硬くて高価です。
溶接用ケーブル(WCT)の許容電流は以下のとおりです。
【WCT・WRCT・WRNCT(導体最高温度60℃)】
【WNCT(導体最高温度75℃)】
※周囲温度30℃・気中・日射無し
なお上記は参考値で、メーカーによって異なります。
溶接機の使用率とは、「実際にアークを発生させている(溶接している)時間」のことです。
WCTはアークを発生させているときに電流が流れるため、どれだけ連続して溶接しているかによって許容電流は変わります。
厳密に使用率を考慮したい場合は、公称電流×√(1÷使用率)で求めることができます。
※公称電流:使用率100%時の許容電流
許容電流は、ケーブルを布設する環境によっても異なります。
それぞれの環境に応じて、以下の係数を乗算してください。
【温度による許容電流係数】
【周囲にケーブルがあるときの許容電流係数】
高温状況での使用や、束線(ドラムに巻いたまま使用)などしていると許容電流は低くなります。
WCTは引き出して使用してください。
WCTの定格電圧は明確に規定されていません。
各メーカーで定格電圧の指定はありますが、JIS C 3663-6 では「このケーブルは主として溶接用として使用するため、定格電圧は規定しない」と記載されています。
つまり、「WCT」という規格において明確な定格電圧は無く、各メーカーが出している定格電圧の数値は、「メーカーが独自に算出した参考値」と捉えると良いです。
ケーブルが長くなると抵抗が上昇し、電圧降下が発生します。
溶接時の電圧は20〜40Vと低いため、通常の電気配線よりも電圧降下の影響を受けやすいです。
もし溶接がうまくいかない、アークが不安定と感じたら、ケーブル長や断面積を見直すことをおすすめします。
用途で判断してください。
WCTは溶接機からアース(母材)、WRCTはホルダ側が基本です。
WRCTは二重被覆で絶縁性・耐摩耗性が強く、万が一シースが傷ついても内側の絶縁層で保護されます。
基本的にはWCTで十分です。
WCTのほうが流通量が多いため入手しやすく、価格も控えめです。
逆にWNCTを選定するのは次のような場面です。
基本的にはWCT、油や難燃の条件が加わったらWNCTを選ぶという判断で問題ありません。
おすすめしません。
ドラムに巻いた状態で使用すると放熱しにくくなり、ケーブルの温度が上がりやすくなります。
許容電流の補正係数を考慮して、余裕がなければ引き出して使用してください。
短期間ならOKですが、長期間はNGです。
天然ゴム(シース)は耐候性に劣るため、屋外に常設するならWNCTやほかのケーブルを検討してください。
長期間紫外線にさらされるとシースが劣化して、導体が露出してしまいます。
使用状況によるので、一概にはいえませんが、次の徴候が見られたら交換を検討してください。
天然ゴムは紫外線・熱・油で劣化するため、屋外や油の多い場所では目視点検を習慣にしてください。
WCTは「溶接機用のケーブル」として捉え、ほかの用途では別の電線を選定するようにしてください。
また、溶接現場では感電ややけどのリスクがあるため、定期的にケーブルの損傷や接続状態の確認をすることが重要です。
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VCTやCV、CVVなど一般電線も豊富にそろっているため、溶接まわりの配線をまとめて調達したい場合にも便利です。
ケーブルの選定に迷った場合は、この記事を参考にサイズや種類を確認した上でご注文ください。
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