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電線・ケーブルを選ぶとき、こうした悩みを抱える方は少なくありません。
ケーブルには多くの種類がありますが、それぞれに「適した用途」があります。この用途を守らずに選んでしまうと、異常な発熱や突然の断線を起こし、最悪の場合は火災事故に発展しかねません。
そこで本記事では、代表的な電線・ケーブルの種類と、用途ごとの使い分けを幅広く解説し、性能とコストのバランスを踏まえた選定方法をお伝えします。
読み進めていただければ、ケーブルの選定ミスを防げるだけでなく、過剰スペックによるコスト増や将来のトラブルリスクも減らせます。
まずは「電線」と「ケーブル」という言葉の違いを解説します。
どちらも同じような意味に見えますが、実は明確な違いがあります。
電気を通す線は、大きく以下に分けられます。
裸電線は絶縁体のない導体のみ、電線は導体を絶縁体で覆ったもの、ケーブルは絶縁電線にさらにシース(外装)を施したもの、コードは家電などに使う柔軟な移動用の電線を指します。
「電線」「ケーブル」「コード」にはこのように明確な区分があります。
電気工事で「ケーブル」というと、「電線にシース(外装)を施したもの」とイメージされます。
電気設備技術基準や内線規程上も扱いが異なり、例えばIVは「電線」のため、電線管に収めて配線するのが原則となっています。
一方ケーブルは、シースが機械的な損傷や水分・薬品などから電線を守るため、露出配線が可能な種類もあります。「どのケーブルがどんな環境に強いのか」はシースの材料によって異なりますので、仕様書や施工基準に従うのが必須です。
屋内配線で使われる電線・ケーブルにはIV・VVF・VVR・EM-EEFなどがあります。
いずれも照明やコンセント回路で一般的に使われるものです。電気工事士の試験でも使うため、もっともなじみの深いケーブルかもしれません。
IVの正式名称は「600Vビニル絶縁電線」です。
導体をビニルで絶縁しただけの電線で、電線管内や分電盤・制御盤内の配線に使われます。
色のバリエーションが豊富なため盤内の細かな配線に便利ですが、長距離では複数本の電線をまとめて施工する必要があり、整線の手間が増えます。
なおIVには単線とより線があり、単線は端末処理が簡単、より線は曲げやすい、など用途に応じた使い分けが可能です。
VVFは「600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形」、VVRは「600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形」が正式名称です。
性能はどちらも同等ですが、形状の違いから施工方法や用途が異なります。
どちらもシース付きのため、露出配線が可能です。
EM-EEFの正式名称は「600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形」で、環境に配慮したケーブルです。
燃やしても有害なハロゲンガスを出さないポリエチレン系の絶縁・シースを採用しており、環境性能の高さから、公共施設などを中心にVVFの代替として使われています。
性能はVVFと似ていますが、最高許容温度がVVFよりも高く、許容電流も若干大きいです。
なお、VVRのエコ版(EM-EER「600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル丸形」)も存在します。
より大きな電力を扱う幹線や動力配線では、CVシリーズが利用されます。
CVシリーズは耐熱性と許容電流の高さが特徴です。
CVの正式名称は「架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル」。架橋ポリエチレンを絶縁体に用いた電力ケーブルで、最高許容温度は90℃と高い耐熱性を持ちます。
最高許容温度が高いと許容電流もその分大きくなります。
CVはVVFより許容電流が大きいため多くの電流を流す幹線や、物理的な衝撃に強いため露出配線などにも使われます。
受変電設備から分電盤への引き込みなど、建物の電力供給にも使われる重要なケーブルです。
CVには用途に応じた派生品があります。
これらはCVに比べると仕上がり外径は大きくなりますが、熱がこもりにくい、同じ断面積なら施工性がよい、被害が拡大しにくい(単線ごとに保護されているため)といった理由でキュービクルや変電設備、幹線の配線でよく使われます。
特にCVTは三相3線式に対応しやすいため、採用率が高いです。
EM-CEは、CVにエコ仕様のシースを組み合わせた環境配慮型ケーブル「架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル」です。
CVと同様に、幹線配電や設備配線に用いられ、環境性能が求められる現場(病院・学校・商業施設・地下鉄・空港など)でよく採用されます。
CVシリーズの強みは最高許容温度が90℃もある耐熱性です。
許容温度に余裕がある分、同じ太さでもVVFより大きな電流を流せ、大電流を扱う幹線や高温環境に適しています。
逆にいえば、同じ電流ならCVのほうが細径で済む場合もあり、幹線の配線では施工性やコストの面でもCVが有利になります。
機器の移動部や繰り返し動く部分には、柔軟で断線に強いケーブルが必要です。(可動部に普通のケーブルを使うと、金属疲労によってケーブルが断線してしまうため)
ここでは、移動部や可動部に強いケーブルを解説します。
VCTは「ビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル」と呼ばれ、交流600V以下・直流750V以下の移動用電源回路に使われます。
柔軟で取り回しがよく、機器の電源コードや仮設配線などに広く使われています。
【採用例】
VCTFは「ビニル絶縁ビニルキャブタイヤ丸形コード」と呼ばれる、交流300V以下で使われるフレキシブルコードです。
コードが細く柔らかいため、小型家電や事務機器など比較的軽負荷の用途に向いています。
VCTより小容量向けで、扱う電流や機器の大きさに応じてVCTと使い分けます。
産業用ロボットや可動設備には専用のロボットケーブルが使われます。
正式名称はなく「ロボットケーブル」が一般的。用途によって「FAケーブル」「可動用ケーブル」などと呼ばれることもあります。
高い耐屈曲性・耐捻回性・耐油性・耐薬品性を備え、繰り返しの曲げやねじれに強いです。
VCTも可動部用ですが、ロボットケーブルはさらに頻繁に動く場所。ロボットアームやケーブルベア内の配線で主に採用されます。
初期コストは高めですが、断線による設備停止やメンテナンスの手間を考えれば、結果的に割安になるケースも少なくありません。
制御盤や産業機械の信号配線には、専用の制御用ケーブルを使います。
ノイズ対策の有無で2種類のケーブルを使い分けます。
CVVは「制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル」と呼ばれ、制御盤や産業機械の配線に広く使われる代表的な制御ケーブルです。
IV電線も制御盤の配線で使われますが、CVVとの主な違いは「盤外まで配線するかどうか」。
IVはシースがないため基本的には制御盤内の配線になります。一方CVVはシース(外被)があるため盤と機器、盤と盤など外部の配線で使われることも多いです。
CVVはビニル絶縁・ビニルシースで扱いやすく、コストも比較的安価なため、一般的な制御回路でよく使われます。
CVVSは、CVVにシールド(しゃへい層)を加えたケーブルです。
電磁ノイズの影響を受けにくく、インバータやモーター周辺などノイズの多い環境で使われます。
ノイズが少ない一般的な制御回路にはCVV、ノイズ源が近い環境にはCVVS、と使い分けるのが基本です。
電線・ケーブルの選定には次の4ステップで進めるのが一般的です。この順番で確認すれば、選定で大失敗することはありません。
特に見落としがちなのが施工性。安全性や材料費だけを重視して選定すると施工性が悪くなり、トータルではかえってコスト増になることもあります。
【代表的な工数増の要因】
「足りない」も「過剰」も避け、用途にちょうど合ったものを選ぶことが、安全とコストの両立につながります。
ケーブルの電圧や許容電流は、電線メーカーの仕様書やカタログから確認するのが基本です。
電線管内の配線、ケーブルがたくさん束ねられている、周囲温度が高いなど、放熱が悪い環境ほど許容電流は低くなります。
電線の布設条件は必ずチェックし、ギリギリの設計にしないことが事故を防ぐコツです。
電線・ケーブルには、IV・VVF・CV・VCT・VCTF・EM-EEF・ロボットケーブルなど数多くの種類があり、それぞれに適した用途と環境があります。
用途に合わないケーブルは発熱・断線・火災のリスクに直結するため、本記事の4ステップを参考に選定しましょう。
当サイトでは、ここで紹介したIV・VVF・CV・VCT・EM電線・通信ケーブルなど、各種電線・ケーブルを豊富に取りそろえています。
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