電線・ケーブルから工具まで電材品が揃うSDSの通販サイト
銅建値:
千円/トン
044-230-0827
営業時間:9:00~17:00(土日祝除く)
注目トピック!
目次
「同軸ケーブル」と「LANケーブル」。どちらも「インターネットに接続する線」というイメージから、「いったい何が違うの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
結論からいえば、同軸ケーブルは映像・高周波信号向け、LANケーブルはデジタルデータ通信向けと、役割がはっきり分かれています。どちらも通信線ですが、運ぶ信号も内部構造もまったく別物で、それぞれに得意な分野があるのです。
本記事では、両者の違いを見た目の構造から電気的な特性、伝送距離・用途・コネクタ・変換方法まで詳しく比較しながら解説します。
記事を読み進めていただければ、適切な配線・選定ができるようになり、トラブル発生時に原因を切り分ける力も身につきます。
同軸ケーブルとLANケーブルは同じ通信線の分野ですが、生まれた背景も運ぶ信号もまったく異なります。
ここでは両者の概要について解説します。
同軸ケーブルは、高周波(RF)信号の伝送に適したケーブルです。アナログ放送や地上デジタル放送、CATVなどのデジタルRF信号にも広く使用されています。
中心の1本の導体に信号を流し、それを筒状のシールドで包む点が最大の特徴で、1回路の信号を遠くまで届けるのに適しています。
(同軸ケーブル(F型)の写真)
テレビアンテナの配線や無線機器、防犯カメラなど、私たちの身近なところで幅広く使われており、昔から放送や無線の世界で使われてきた代表的なケーブルです。
LANケーブルは、イーサネット規格に基づくデジタルデータ通信用のケーブルです。
オフィスやインターネット回線でおなじみのケーブルで、両端にはRJ-45という四角いコネクタが付いています。
(RJ-45のコネクタが付いたLANケーブル)
同軸を「1本の太い信号路」だとすると、LANは複数のペアを束ねて「データを同時に伝送する」ケーブル。イーサネット規格に沿って作られているため、どのメーカーでも同じコネクタでつなげられるのが特徴です。
同軸ケーブルとLANケーブルの違いは内部構造にあります。
ここでは両者の構造や、どんな種類があるかを解説します。
同軸ケーブルは内部導体・絶縁体・外部導体(シールド)・外被(シース)の3層構造です。中心の内部導体が信号を運び、その周囲を絶縁体が一定の間隔で覆い、さらに外部導体が全周を包んで外被で保護します。
同軸ケーブルには「特性インピーダンス」という交流的なインピーダンスがあり、代表的なものとして50Ωと75Ωがあります。
機器側とインピーダンスが合っていないと反射が生じて信号が劣化するため、同じ値のケーブルを選ぶことが大切です。
LANケーブルは8本の銅線を2本ずつ撚り合わせた4対構造で、シールドの有無によりUTP・FTP・STPに分かれます。
LANケーブルにも特性インピーダンスは存在します(100Ωと規定されている)が、カテゴリに適合したケーブルや規格に合ったコネクタを選べば100Ωになるよう設計されているため、同軸ケーブルほど意識されることはありません。
代表的なカテゴリにはCat 5e・Cat 6・Cat 6Aなどがあり、数字が大きいほど高速・高性能で、対応する周波数帯域も広くなります。
同軸ケーブルが1本の信号を運ぶ構造なのに対し、LANケーブルは多くのデータを同時に扱える点が特徴です。
同軸ケーブルとLANケーブルは、信号の送り方(伝送方式)も異なります。
ここでは両者の伝送方式やノイズ対策の違いについて解説します。
同軸ケーブルはアンバランス(不平衡)伝送方式です。
中心導体に信号を流し、外側のシールドを基準(グランド)として電圧を伝える方式で、中心導体を取り囲む外部導体(シールド)が、外来ノイズと信号の放射の両方を抑えます。
シールドの性能がノイズ耐性に直結するため、高周波になるほどシールド構造が重要になります。
同軸ケーブルは信号を流す中心導体が1本で構成されるため、構造が分かりやすく、コネクタによる接続も容易です。
LANケーブル(UTP)はバランス(平衡)伝送方式で、2本の導体に逆極性の信号を流す差動伝送を行っています。
受信側で2本の差を取ることで、両方の線に等しく乗ったノイズを打ち消せるのが差動伝送の強みです。
さらに線を撚ること(ツイストペア構造)で、シールドがなくても外来ノイズの影響を受けにくくしています。
撚りのピッチ(間隔)をペアごとに変えるなど、ノイズ対策の工夫がなされています。
同軸はシールド、LANは差動伝送+撚りでノイズに対抗します。
扱う信号は違いますが、どちらも「いかにノイズの影響を受けずに信号を運ぶか」を突き詰めた構造です。
より高いノイズ耐性が求められる環境では、以下のケーブルを選定します。
工場のインバータ機器の近くなど、強いノイズ源がある場所では、上記のケーブルを選ぶことで通信を安定させることができます。
同軸ケーブルとLANケーブルでは、伝送距離や通信速度も異なります。
配線設計に直結する違いなので、しっかり押さえましょう。
同軸ケーブルは、規格や環境にもよりますが数百m以上の伝送が可能で、長距離の映像・信号伝送に強いです。
ただし信号周波数が高いほど減衰しやすいため、長距離では太径のケーブルやブースター(増幅器)を使います。
「どこまで伸ばせるか」はケーブルの種類や扱う周波数で変わるため、仕様書の減衰量を確認して設計するのが基本です。
LANケーブルはイーサネット規格上、1区間の最大伝送距離が100m以内と定められています。
これは銅線を使う上での物理的な制約であり、100mを超える場合はハブやスイッチを挟んで中継するか、長距離に強い光ファイバーへ切り替えが必要です。
LANケーブルは分かりやすい基準があるため、配線設計の際はまずこの距離に収まるかを確認するのが基本です。
LANケーブルはCat 5e(1Gbps)からCat6A(10Gbps)まであり、カテゴリを選ぶだけで対応速度が決まります。
一般的なEthernet(LAN)配線では同軸ケーブルはほとんど使われません。ツイストペアのLANケーブルが主流です。
LANケーブルは主に「通信(Ethernet)」、同軸ケーブルは主に「映像・RF信号」を扱います。
それぞれどのような用途で使われるのか、以下で詳しく解説します。
同軸ケーブルの主な用途は次のとおりです。
いずれも「アナログや高周波の信号を安定して運ぶ」用途であり、同軸ケーブルがもっとも得意とする領域です。
テレビ周りの75Ωと、無線・計測の50Ωという2つのインピーダンスを使い分けるのがポイントになります。
LANケーブルは次の用途で使用されます。
複数の機器をつなぎ、高速・大量のデータをやり取りするネットワーク配線では、LANケーブルが標準的に使われます。
近年はカメラやセンサーなどもネットワーク化が進み、PoE(LANケーブルで給電も行う仕組み)の普及によってLANケーブルの活躍の場はさらに広がっています。
同軸とLAN、両者は構造もコネクタ形状も違うため、物理的に取り違えることはほとんどありません。
ただしCATVインターネットのように同軸が通信回線として使われる例もあり、「どちらがネット用か」と用途を混同するケースはあります。
この場合、専用モデムで同軸からLANへ変換しており、最終的にパソコンやルーターへつなぐのはLANケーブルです。
つまり同軸が通信に使われていても「機器の手前でLANに変換されている」「最終的にはLANになる」と理解すると混乱しません。
選定で迷ったときは「運びたいのは映像・高周波信号か、それともネットワークのデータか」を考えるとよいです。
映像・放送・アンテナ信号には75Ωの同軸ケーブル、無線通信・計測器には50Ωの同軸ケーブル、オフィスやデータセンターのデータ通信にはLANケーブルを選びます。
次に、伝送距離やコストを確認します。LANケーブルは規格上最大100mまでの配線を前提としているため、それを超える場合はネットワークスイッチを中継したり、光ファイバーへ切り替えたりする必要があります。
同軸ケーブルは用途やケーブルの種類によって比較的長距離の伝送に対応できますが、距離が長くなるほど信号は減衰するため、低損失タイプのケーブルを選ぶ、またはブースター(増幅器)を設置するなどの対策を検討します。
配線距離が短い場合は、標準的な製品を選ぶことでコストを抑えられます。
最後に、屋外配線では耐候性、可動部では柔軟性、ノイズの多い環境ではシールド付き製品(同軸の多重シールドやSTP LANケーブルなど)を選ぶなど、設置環境も考慮して最終的な製品を決定しましょう。
同軸ケーブルとLANケーブルではコネクタの形状にも違いがあります。
ここでは両者の接続方法や延長方法の違いについて解説します。
同軸ケーブルには、テレビ用のF型、計測器・防犯カメラ用のBNC、高周波・大電力用のN型、小型高周波用のSMAなど、用途に応じたコネクタがあります。
ねじ込み式のF型やN型、ワンタッチで着脱できるBNCなど、固定方法もさまざまで、用途や使用頻度に応じて使い分けられています。
LANケーブルはRJ-45コネクタが標準で、カチッと差し込むだけで接続できます。
コネクタ形状が同じでも内部構造は異なります。ケーブルのカテゴリに適合したコネクタ・配線を使わないと、規格どおりの通信速度を発揮できません。
成端(コネクタの取り付け)の品質が通信速度に影響するので、自作する場合は配線の順序や撚り戻しの長さにも注意しましょう。
延長や中継では、同軸はインピーダンス(50Ω・75Ω)の一致、LANはカテゴリ適合品の使用が重要です。
同軸でインピーダンスの異なるケーブルやコネクタをつなぐと反射が起き、映像の乱れや受信レベルの低下を招きます。
例えるなら、水路の幅が途中で変わるようなもの。突然水路の幅が大きく(小さく)なると、そこで波が起きたり、渦が発生したりして水流に乱れが生じます。
LANも、低いカテゴリの部材が一か所でも混ざると、そこが速度のボトルネックになってしまいます。
例えるなら、道路が途中で1車線になるようなもの。3車線ある道路がどこかで1車線になる箇所があると、車はそこで渋滞してしまいます。
なお、同軸とLANは信号方式そのものが異なるため、相互に変換するには専用の信号変換器(コンバーター)が必要です。
例えば同軸の映像をネットワークで送りたい場合は、エンコーダーやメディアコンバーターを介してデジタル信号に変換します。同軸ケーブルとLANケーブルを単純につなぎ替えるだけでは通信できません。
「映像・放送・無線なら同軸、ネットワーク通信ならLAN」と用途で明確に使い分けるのが基本です。
それぞれの特性を理解しておけば、新規配線はもちろん、既存設備の更新やトラブル時の原因切り分けでも迷わず判断できます。
なお当サイトでは、同軸ケーブル・LANケーブルの両方を各種取りそろえ、RJ-45といったコネクタや関連部材もご用意しています。
ケーブルの購入は、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。