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ターボフレックスとは、ケーブルキャリア配線に最適な高柔軟ケーブルのことです。一般的な制御ケーブル(CVVなど)に比べて耐屈曲性能に優れ、耐油・耐熱性も備えているため、切削油の飛び散る工作機械まわりをはじめ、幅広い現場で使えます。
本記事では、そんなターボフレックスの特徴や具体的な活用事例、選定のポイントや注意点を、経験者の視点で解説します。
記事を読み進めていただければターボフレックスへの理解が深まり、可動部配線の設計ミスを防ぐことができます。
ターボフレックス(TURBO-FLEX)とは、太陽ケーブルテック(旧:テイコク)が製造する高可とう中低速可動ケーブルのことです。
極細の素線を多く撚り合わせることで、断面積が大きくてもしなやかに曲がる柔軟性を持っています。主に中低速可動部配線用のケーブルで、ケーブルキャリアの配線に適しています。
ネット検索では米Glenair社の「TurboFlex(R)」(航空宇宙・防衛向けの高電圧ケーブル)もヒットしますが、これとは別製品です。
本記事では、太陽ケーブルテックのターボフレックスについて解説します。
一般的な固定配線用の制御ケーブル(CVVなど)は柔軟性がそれほど高くないため、狭い制御盤内やケーブルキャリア周辺では取り回しに苦労することがあります。施工スペースの確保や作業負荷の増加が課題となるケースも少なくありません。
また、硬いケーブルを可動部に使うと、繰り返しの屈曲で金属疲労が進み、突然の断線につながることもあります。
ターボフレックスは柔らかく狭小スペースでも配線でき、繰り返しの動きにも強いため、こうした「硬い・曲がらない・断線する」という悩みを解決できます。
ターボフレックスは、極細の素線を多数撚り合わせて1本の導体を構成しています。
たとえば0.75sq(AWG19)の導体には直径0.12mmの素線が67本、0.5sq(AWG20)には0.08mmの素線が108本使われており、細い素線が曲げの応力を分散するため、断面積が大きくてもロープのようにしなやかに曲がります。
この導体を耐熱ビニル絶縁体で覆い、外側を耐油・耐熱・難燃・柔軟性の柔軟ビニルシースで保護した構造です。
ターボフレックスの主な特徴は、次の5つです。
代表的なラインナップである300Vタイプ(2517 LF)と600Vタイプ(2501 LF)の仕様は次のとおりです。
※1 EN規格の場合は300/500V
※2 AWG 19〜10のみ対象
ターボフレックスはケーブルキャリア配線向けのケーブルです。具体的な用途は次のとおりです。
最も代表的な用途は次のような工作機械のケーブルキャリア配線です。
工作機械では主軸やテーブルが毎日何千回と往復し、そのたびにケーブルも曲げ伸ばしされます。切削油が常に飛散する過酷な環境も想定されるため、耐屈曲性と耐油性を兼ね備えたターボフレックスは相性が非常に良いです。
ターボフレックスはFA(ファクトリーオートメーション)設備の可動部配線でも活躍します。
動き続ける装置の電源・信号を安定して供給し、断線による設備停止のリスクを減らせます。
ターボフレックスは次のような機構と組み合わせて、ケーブルキャリア(ドラグチェーン)の中にケーブルを通して動きに追従させます。
写真のような縦・横にスライドする設備機器でもターボフレックスは使われます。
キャリア内のケーブルは同じ箇所で曲げ伸ばしされ続けるため、ターボフレックスの特性が生きる場所です。なお、移動距離が5m以上になる場合は寿命に影響があるため、メーカーへの相談をおすすめします。
ターボフレックスを選定する際は、次の6つの項目を順に確認すると良いでしょう。
まず用途に応じて定格電圧を決めます。一般的に、モーターなどの電源用なら600Vタイプ、センサや制御信号用なら300Vタイプを選択します。
同じ設備でも電源系と信号系で使い分けるのが基本です。全て1本のケーブルにまとめると信号が電源の影響を受けてノイズが発生してしまう恐れがあります。
ターボフレックスが得意とするのは、中低速で動くケーブルキャリア用の配線です。
高速で動くロボットや、大きな捻回(ねじれ)を伴う用途では、より耐屈曲・耐捻回性能の高いロボットケーブルを検討しましょう。
流れる電流から導体断面積を決めます。
許容電流はメーカーカタログ値を確認し、周囲温度が高い場合は減少係数を掛けて余裕を持たせます。たとえば周囲温度60℃では30℃時の約0.77倍まで許容電流が下がるため、高温環境では太いサイズの選定が安心です。
【電流減少係数】
例:600Vのターボフレックス AWG17(1.25sq)-3C を50℃の環境で使う場合:
17A(カタログ値)※ ×0.86(係数)=14.62A
※空中1条布設・周囲温度30℃・JCS 0168基準
配線本数に応じて芯数を選びます。電源のみなら2〜4芯、モーター+アースなら4芯、制御回路なら10芯以上が目安です。
なお、ターボフレックスの3芯以上には同サイズのアース線(黄/緑)が1本含まれます。三相モーター+アースなら、電源3本+アース1本で4芯となります。
ターボフレックスは切削油が飛散する場所や高温環境に向いています(UL/CSA規格なら105℃・電気用品安全法なら75℃・EN規格なら70℃)。
固定配線が中心で可動しない場所ならCVV等で十分な場合もあり、適材適所の使い分けがコスト最適化につながります。
海外向け設備では認証規格の確認も重要です。
アメリカ向けはUL規格、カナダ向けはCSA規格、EU向けはEN規格(CEマーキング)、日本国内は電気用品安全法(PSE)への適合が基本的に必要となります。ターボフレックスはこれらに対応しており、輸出設備にも使いやすいケーブルです。
ターボフレックスは、極細素線を多数撚り合わせた構造により、高い柔軟性とケーブルキャリア試験500万回以上の長寿命を可能にした可動部用ケーブルです。
耐油・耐熱・難燃性を備え、UL・CSA・ENなどの海外規格にも対応するため、工作機械やFA設備のケーブルキャリア配線で幅広く活躍します。選定の際は、用途(電源か信号か)・可動条件・電流値・芯数・使用環境・認証規格の6つを確認すれば、設計ミスを防げます。
なお当サイトでは、300V・600Vのターボフレックスを各サイズ・芯数で取り扱っています。切断対応しているケーブルもあり、必要な長さで無駄なく購入することも可能です。
本記事の選定ポイントを参考にして、最適なケーブルをお選びください。