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電線と機器をつなぐために欠かせない圧着端子。サイズの組み合わせは意外と多く、「入れば何でもいいのでは?」と思ってしまうかもしれません。ですが細分化されたサイズにはれっきとした理由があります。
物理的に入るからといって適当に選んでしまうと、接触不良によって接続部が異常発熱し、最悪の場合は火災事故の原因になることも。実際に、圧着端子の圧着(カシメ)不良から火災に発展したケースは何件も確認されています。(出典:消費者庁 事故情報)
本記事では、圧着端子のサイズや選び方、品番の読み方、正しい圧着手順まで幅広く解説します。読み終えれば適切なサイズを迷わず選べるようになり、施工不良のリスクを減らすことができます。
圧着端子とは、電線の導体に端子をかぶせ、圧着工具で塑性変形(元に戻らない変形)させて接続するためのものです。はんだ付けに比べて作業者による品質のばらつきが小さく、施工時間が短縮できることから、1960年代頃から普及しました。
【出典】1969年:JIS C 2805(銅線用圧着端子)制定
今では制御盤・分電盤・機器接続など、電気工事のあらゆる場面で使われる基礎部品です。
圧着端子はJIS C 2805「銅線用圧着端子」で規格化されており、形状・寸法・適合電線の範囲が細かく定められています。
この規格に適合した圧着端子を使うことで「十分な引張強さを確保できる」「長期間安定して使える」といったメリットがあります。
多くの圧着端子は品番で仕様が分かるようになっているため、基本的な概要を覚えれば仕様の見当がつきます。
正しいサイズの端子を正しい工具で圧着すれば、はんだ付けに匹敵する安定した電気的・機械的接続が得られます。
逆に、サイズ違いの端子や不適切な工具で圧着すると、見た目はつながっていても内部で接触不良を起こし、発熱・断線の原因になります。
圧着端子にはさまざまな種類があり、それぞれに適切な用途があります。
丸端子はリング状の端子です。ネジが緩んでも端子が脱落しにくいため受変電設備などの強電回路や電源ライン、振動のある場所で広く使われます。取り扱いサイズも豊富で大電流用の大きなサイズまで揃っています。
なお大サイズの圧着端子は分厚いため手で圧着することができません。油圧式の圧着工具を使うのが一般的です。
Y端子は先端が開いたY字状になっています。ネジを完全に外さずに差し込めるため、作業がスピーディーです。ただしネジが緩むと脱落するリスクがあるため、弱電の信号ラインや制御回路など、比較的軽負荷の用途に多く使われます。
電源ラインにY端子を使うと万一ネジが緩んで脱落した時、他の回路に接触して機器の損傷や感電・火災が発生する恐れがあります。
棒端子は電線の先を棒状にまとめる差し込みタイプの端子です。主に差込形の端子台に使われますが、ネジ式端子台でも素線のばらけ防止で使われることがあります。
差込形の端子台は、対応する電線サイズが小さいものが多いため、丸形やY形ほどバリエーションは多くありません。
圧着部にあらかじめ絶縁スリーブが付いた端子です。圧着後に絶縁スリーブやテープを施す作業を省略でき、作業効率が上がります。ただし専用の圧着工具が必要になる点には注意しましょう。
圧着端子の品番は「R1.25-3」のように表記され、3つの要素で構成されています。
先頭のアルファベットは端子の形状を表しています。
Rの記号はJIS C 2805で規定されていますが、JIS上は『取付孔が1つの裸端子』を指す記号です。Y(先開形)やTC(棒形)はJISの種類には規定がなく、メーカーが用いる呼称として業界に定着したものです。
最初の数字は適合電線の目安(呼び)を表します。例えば「1.25」と表記されている場合、適合電線は1.25mm²前後であることを意味します。
※3.5はJIS C 2805・2010の裸端子の規格表には呼びがありません(裸端子としては非JIS規格品)
電線の断面積はmm²(平方ミリメートル)で表し、現場では「sq(スケア)」とも呼びます。海外規格ではAWGという規格も使われます。
単線を使う場合は「0.785×直径²」で断面積に換算します。主な換算値は次のとおりです。
「-3」ならネジ径(スタッド径)3mm、つまりM3ネジ用であることを表します。主要品番と適合電線・ネジ径の対応は次のとおりです。
注意点は「M3ネジ用=3mmの穴ではない」という点。ネジがすんなり入るように隙間(クリアランス)が設けられており、実際は3.2mmなど、ネジ外径よりも少し大きめの穴になっています。
圧着端子の選定では、次の点を確認すれば失敗しません。
まずは接続する電線の断面積と接続先のネジ径を確認します。ここを間違えると圧着不良や抜け落ちが発生します。確実にチェックしてください。
次に用途に応じた形状を選びます。強電や振動部には脱落しにくい丸形、作業性を重視する弱電・信号ラインにはY形、差込形端子台には棒形がよく使われます。
いずれも圧着端子の理解不足で起こるミスです。
圧着の品質は工具で大きく左右されます。端子サイズに適合したダイス(圧着歯口)を持つ、JIS適合の圧着工具を使用しましょう。
多くの圧着工具はラチェット式で、規定の力で圧着が完了するまでハンドルが戻らない構造になっています。また、裸端子用と絶縁被覆付き端子用では工具が異なるため、端子の種類に合わせて使い分けることが重要です。
圧着後は電線を軽く引っ張り、抜けないことを確認します。あわせて、芯線のはみ出しすぎ・被覆の噛み込み・圧着位置のずれがないかを目視でチェックしましょう。
不良が見つかった場合は、端子を切り落として新しい端子で圧着し直すのが鉄則です。
圧着端子の選定は、電線の断面積と接続先のネジ径を確認することが基本です。品番は「形状+断面積+ネジ径」の構成なので、R1.25-3のような表記もすぐに読み解けるようになります。
そのうえで、用途に応じて丸形・Y形・棒形・絶縁被覆付きを使い分け、適合したJIS圧着工具で正しく圧着すれば、接触不良や発熱といった施工不良のリスクを大きく減らせます。
当サイトでは、丸形・Y形・棒形の各サイズの圧着端子をはじめ、圧着工具や電線接続関連資材を幅広く取り揃えています。
本記事を参考に、ぜひ最適な圧着端子選びをしてください。